アルテミス2、地球帰還まであとわずか!秒速11kmの超高速再突入に挑む
54年ぶりに人類を月近傍へ送り込んだNASAのオリオン宇宙船。4月7日には人類初の月の裏側観測を成功させ、現在、地球への帰路についています。4月11日午前9時7分には、米西海岸サンディエゴ沖約80kmのポイントに着水(スプラッシュダウン)する予定です。今回は、その地球帰還までのタイムラインと、オリオンが挑む超高速再突入のミッションについて詳しく解説します。
地球帰還タイムライン:日本時間4月11日
クルー4名を乗せたオリオン宇宙船カプセルは、以下のスケジュールで地球へ帰還します。
- 04時07分地球への大気圏再突入に備え、メインエンジンによる最後の軌道修正噴射を実施。
- 06時00分クルーがオレンジ色の船内宇宙服を着用。チェックリスト作業を開始。
- 08時33分オリオン宇宙船のカプセル(搭乗員モジュール)がサービスモジュール(機械船)から分離される
- 08時37分大気圏再突入に備えて機体姿勢や速度を微調整するため、スラスタ(姿勢制御装置)を短く噴射
- 08時52分大気圏再突入を開始
- 08時53分再突入時、カプセルが超高温のプラズマに包まれることにより通信が途絶(ブラックアウト)
- 09時00分通信復帰
- 09時03分ドローグ・パラシュートを展開
- 09時04分メイン・パラシュートを展開
- 09時07分米西海岸サンディエゴ沖約80kmのポイントに着水(スプラッシュダウン)
秒速11kmの衝撃!オリオン再突入の難しさ
国際宇宙ステーション(ISS)からの帰還時、クルードラゴンは秒速7.8kmで大気圏に再突入し、機体表面温度は約1850度まで上昇します。しかし、オリオンの場合は、秒速11kmという驚異的な速度で突入し、機体表面温度は約2760度に達すると予想されています。これは、ISSからの帰還に比べて速度が1.4倍、温度は1.5倍という、まさに過酷な環境です。
地球からの脱出速度(秒速11.2km)に近い速度で帰還するため、オリオンは地球の重力を利用して減速する必要があります。しかし、燃料が限られているため、エンジン噴射による減速は困難です。そのため、NASAは当初、より安全な再突入方式である「スキップエントリー」の採用を検討していました。
耐熱シールドへの不安
オリオンの生命線とも言える耐熱シールド。このシールドが、超高温のプラズマからカプセルとクルーを守り抜くことが、今回のミッション成功の鍵となります。過去のアルテミス1ミッションでは、耐熱シールドに若干の損傷が見られたこともあり、今回のアルテミス2ミッションでは、その耐久性が改めて注目されています。NASAは、アルテミス1で得られたデータを基に、耐熱シールドの改良を進めてきましたが、未知の領域への挑戦であることに変わりはありません。
アルテミス2の成功は、人類の月探査計画を大きく前進させるだけでなく、宇宙開発の未来を切り開く一歩となるでしょう。地球帰還の瞬間を、ぜひ見守りましょう。