国旗損壊罪に反対の岩屋前外相「思想信条まで罰する恐れ」「政権アピールの立法」
日本国旗を傷つける行為を罰する「日本国国章損壊罪」の導入に、自民党の岩屋毅前外相が反対の立場を明確にしました。西日本新聞のインタビューで、その理由や懸念点を語りました。今回の発言は、表現の自由や政権の意図を巡る議論を呼びそうです。
なぜ国旗損壊罪に反対なのか?
岩屋前外相は、まず法律を設ける根拠がないと指摘します。実際に国旗が焼かれたり破られたりする事案はほとんどなく、多くの場合、国旗を傷つける行為は政治的な表現だと考えられます。憲法が保障する表現の自由や内心の自由を侵害する可能性があり、思想信条を処罰するような法律は憲法違反になりかねません。
さらに、人々の意識を萎縮させ、言論統制や弾圧につながる危険性も指摘。極めて慎重に考えるべきだと訴えました。
「政治的アピールの立法」という懸念
国旗の処罰規定がある他国との比較や、将来的な事案増加の可能性については、「G7でも対応が割れている」「国旗を尊重する意識は高まっている」と反論。この法律は政治的アピールのための立法とみなされても仕方がないと語りました。
維新の会との連立政権合意書との矛盾
昨年10月の日本維新の会との連立政権合意書には、外国国章損壊罪との矛盾を解消するために国旗損壊罪が盛り込まれましたが、岩屋前外相は「外交関係に配慮するためのものであり、法で守る利益が全く違う」と区別を明確にしました。また、合意書に盛り込まれた経緯についても、党内での十分な議論がなかったことを指摘しています。
政権内の議論の重要性
自民党内で異論を唱える議員が少ない現状について、岩屋前外相は「誰が首相であっても自由闊達な議論を通じて正しい判断をすることが重要」と訴えました。野党の議席数が減り、チェック機能が働きづらくなっているからこそ、党内議論の重要性が増していると強調しています。
SNSでの批判への言及
SNSでの誹謗中傷についても触れ、自身が衆院選で最も誹謗中傷を受けたことを明かしました。しかし、政治家はひるんではいけないと毅然とした態度を示し、社会が間違った方向に進んでしまった戦前の教訓を忘れてはならないと警鐘を鳴らしました。