高市早苗首相の「働いて働いて」発言が流行語大賞に決定…過労自殺遺族から強い批判

今年の「新語・流行語大賞」で、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という発言が年間大賞に選ばれました。しかし、この決定に対し、過労自殺の遺族からは強い懸念の声が上がっています。

遺族「家族にむち打つような行為」と憤慨

11日に東京都内で開かれた記者会見で、医師の夫を過労自殺で亡くした中原のり子さんは、受賞の知らせに「耳を疑った」と憤りをあらわにしました。「家族にむち打つような行為だ」と語気を強め、「働いてワーク・ライフ・バランスを捨てるというのは社会的に最もふさわしくない言葉」と批判しました。

高市首相の発言は、自民党の新総裁に選ばれた際のものです。「全員に馬車馬のように働いてもらう。私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」という発言に対し、賛否両論の声が上がっていました。流行語大賞の表彰式では、「国民に働き過ぎを推奨するような意図はない」と説明されましたが、遺族の心情には響いていないようです。

「言葉が独り歩きしては過労死はなくならない」

中原さんは、「こんな言葉が独り歩きしては過労死はなくならない」と警鐘を鳴らし、影響力の大きい立場にある高市首相には言葉を選ぶよう強く求めました。今回の受賞が、過労死問題に対する社会の意識を改めて問うきっかけとなるかもしれません。

近年、長時間労働や過労による健康問題、そして過労自殺は深刻な社会問題となっています。今回の流行語大賞の決定が、この問題に対する議論を深める一助となることを願います。