平日の昼間にビデオBOXへ吸い込まれるサラリーマンの正体。ただのサボりじゃない「切実すぎる事情」とは
サボり?それとも生存戦略?スーツ姿の男たちがビデオBOXに消える理由
平日の真っ昼間、繁華街の雑居ビルに足早に入っていくスーツ姿の男性たち。その行き先が「ビデオBOX」だったとしたら、皆さんはどう思いますか?「ただのサボり」「不真面目な社員」と決めつけるのは簡単かもしれません。しかし、実際に利用している当事者たちを取材すると、そこには現代社会で働く人々の複雑な事情と、ギリギリの精神状態で生きる姿が浮かび上がってきました。
「昼飯代を削ってでも行く」ルート営業マンのルーティン
福岡でルート営業として働く田中弘毅さん(仮名・20代)は、週に3回以上もビデオBOXを利用するといいます。外回りの合間にできる「数時間の空き時間」を埋める場所として、ビデオBOXは彼にとって最適解なのだそうです。「金銭的な余裕がない若手社員にとって、オトナのお店より安上がりで、昼寝も仕事の対応も性欲の処理もできるプライベート空間はまさに天国。罪悪感?今はもうありませんね」と、田中さんは淡々と語ります。会社には「運転中」と言い訳をすれば、上司からの追求も回避できるといいます。
「笑顔を外せる唯一の場所」管理職が逃げ込んだ“心のシェルター”
一方で、全く異なる理由でビデオBOXに通っていた人もいます。かつてサービス業の店舗責任者を務めていた安室玲さん(仮名)は、ビデオBOXを「心の避難行動」だったと振り返ります。「クレーム対応や売上管理、常に笑顔でいなければならないプレッシャーで限界でした。雑居ビルの薄暗い個室だけが、唯一誰の目も気にせず、無言でいられる場所だったんです」と語る安室さん。決してサボりたくて行っていたのではなく、心を守るための「休憩」が必要だったのです。当時の余裕のなさが、彼をビデオBOXへと突き動かしていました。
現代のオフィスワーカーが抱える「孤独と閉塞感」
ビデオBOXを利用する理由は、人によってさまざまです。田中さんのように効率的に時間を潰す人もいれば、安室さんのように極限のプレッシャーから逃げ出すための「シェルター」として利用する人もいます。しかし共通しているのは、職場で誰にも本音を話せず、孤独や閉塞感を抱えているという点です。もしあなたの身近にビデオBOXへ消えていく人がいたとしても、それを単なる「サボり」と断じる前に、彼らが抱えているかもしれない「見えないSOS」に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。