セットだけで1億円!『THEゴールデンコンビ』誕生の裏側──ヒットメーカー橋本和明が語る配信戦略
PrimeVideoで大ヒットを記録したお笑いサバイバル・バトル『最強新コンビ決定戦THEゴールデンコンビ』。その裏側で、番組を総合演出した橋本和明氏に、テレビ業界から配信へ転身した思いや、ヒットの秘訣をインタビューしました。
テレビ局を退社、配信で新たな挑戦へ
日本テレビで『有吉ゼミ』、『有吉の壁』、『マツコ会議』など、数々のヒット番組を手がけてきた橋本氏。約20年のテレビ局勤務を終え、フリーランスとして活動を始めて3年。「テレビで培った経験を活かし、配信という新しいフィールドで面白いコンテンツを作りたい」と語ります。
「配信プラットフォームでは、テレビでは見られないような“ギリギリ”の笑いも求められます。でも、僕がこれまで作ってきた番組は、出演者の本質を深く掘り下げていくスタイルだったので、配信でどう戦うべきか悩みました。会社を辞める時は怖かったですが、多くの人に観てもらえる番組を作ってきた経験から、誰でも楽しめるコンテンツで笑いの幅を広げられるのではないかと考えました。」
橋本氏が考えるテレビマンの強みは、「視聴者が何を求めているのかをマーケティングできること」。視聴環境を理解し、多くの人に楽しんでもらうために、データ分析に基づいた細部までこだわり、コンテンツを磨き上げていくスピード感こそが武器だと話します。
『THEゴールデンコンビ』が実現した、配信ならではの仕掛け
『THEゴールデンコンビ』は、実力派芸人たちが1日限りのオリジナルコンビを結成し、即興コントで頂点を決めるという斬新な内容。PrimeVideoで制作する上で、橋本氏は「わざわざPrimeVideoを立ち上げて観てもらえるきっかけを作る必要があった」と語ります。
強烈なビジュアルで惹きつけるセット
そのために、まず目を引く強烈なセットを用意。「せり上がる舞台や巨大なLEDパネルなど、ショーアップを極めました」と、フジアールの鈴木賢太氏とのコラボレーションを振り返ります。「フジテレビの伝説的なバラエティ番組のセットを手がけてきた鈴木さんに、ぜひセットを作っていただきたかったんです。」
人間ドラマを生み出すコンビ指名システム
また、芸人同士が相方を指名するシステムも、番組の大きな特徴です。「この人なら勝てるんじゃないか」という期待感や、「期待に応えなければいけない」というプレッシャーが、最初から人間ドラマを生み出す構造になっています。
残酷だけど面白い!配信ならではの投票システム
観客が一番おもしろくなかったコンビを投票で脱落させていく演出は、制作上の肝としてこだわった点です。「残酷ではありますが、芸人さんが絶対に負けたくないという気持ちを引き出せるはず。最下位を回避すれば残れるので、全員を笑わせられなくても、一部の人に強烈に刺されば最下位を回避できる。そういった戦術が生まれる余地があるんです。」
橋本氏は、地上波テレビのゴールデンタイムとは異なる、配信ならではの仕掛けを意識することで、『THEゴールデンコンビ』を大ヒットに導いたと言えるでしょう。