春の味覚イカナゴ、不漁が深刻化!原因は温暖化と“捕食者”の増加?
春の訪れを告げるイカナゴ漁ですが、今年も記録的な不漁が続いています。わずか2日間で漁が終了した兵庫県の播磨灘では、かつて2ヶ月ほど行われていた漁期間が、資源保護のため近年短縮されています。「くぎ煮の香りがどの家からも広がる日は戻ってこないのか…?」そんな不安の声が上がる中、専門家は温暖化の影響と“捕食者”の増加が原因だと指摘しています。
イカナゴ不漁の背景にある2つの原因
広島大学の冨山毅教授は、イカナゴ不漁の理由として「エサ不足」と「海水温の上昇」の2点を挙げています。
まず、エサ不足について。イカナゴが食べるプランクトンが減少しており、成長や産卵数に影響が出ている可能性があります。そして、海水温の上昇はイカナゴの生態に大きな影響を与えています。イカナゴは冷水性の魚であり、水温が20℃を超えると“夏眠”に入ります。しかし、海水温が高いと夏眠中のエネルギー消費が増え、作れる卵の量も減ってしまうのです。
冨山教授は「夏眠中の水温が28~29℃を超えると、イカナゴは砂の中で死んでしまうこともあります。水温が高くなるとイカナゴにとって極めて厳しい状況になります」と警鐘を鳴らします。
漁獲量激減の裏に潜む“捕食者”の増加
イカナゴの漁獲量は、2016年には1万1082トンでしたが、2017年には1011トンと10分の1まで激減。その後も低水準が続いています。この背景には、イカナゴを食べる魚、つまり“捕食者”の増加があると言われています。
2016年から、イカナゴを食べるハモ、マダイ、ヒラメ、ブリ、サワラなど14種のうち8種が増加していることが判明しました。これらの魚は比較的暖かい水温を好むため、温暖化が影響している可能性が高いと冨山教授は考えています。
減少を食い止めるためには?
イカナゴの減少を食い止めるためには、海水温の上昇を抑制する対策と、プランクトンの減少を防ぐ対策が不可欠です。また、“捕食者”の漁獲量を調整することも、イカナゴの資源回復に繋がる可能性があります。
春の味覚であるイカナゴを守るためには、私たち一人ひとりが環境問題に関心を持ち、持続可能な社会の実現に向けて行動していくことが重要です。