「あの時、自分には資格がなかった」谷口彰悟が語る挫折と、中村憲剛から受け継いだ魂のバトン
プロ1年目の飛行機で交わした、先輩との忘れられない会話
現在開催中の北中米ワールドカップで、日本代表のディフェンスリーダーとしてチームを牽引する谷口彰悟選手。今や押しも押されもせぬ守備の要として君臨する彼ですが、そのキャリアの裏には、プロ1年目に味わった深い挫折と、偉大な先輩・中村憲剛さんから託された「魂の言葉」がありました。
W杯落選の衝撃を背中で受け止めた、若き日の記憶
谷口選手にとって忘れられない記憶は、2014年ブラジルW杯のメンバー発表の日でした。当時、川崎フロンターレのチームメートであった中村憲剛さんが、惜しくも落選。その直後の飛行機で、隣の席に座った中村さんは傷心のさなか、新人だった谷口選手にこう語りかけました。「代表を目指すべきだ。そこを目指すことは、サッカー選手にとって大事なことだから」。当時、A代表を夢物語のように感じていた谷口選手にとって、この言葉の意味を真に理解するには、多くの時間と悔しい経験が必要でした。
「資格はなかった」若き日の後悔から、日本代表の支柱へ
2015年に初めて日本代表に選出された際、谷口選手はスター選手たちを前に「お客さんのような気持ち」でいたと振り返ります。「その場にいる資格はなかった」。その野心の欠如を突きつけられ、一度は代表から遠ざかることになります。しかし、その悔しさが今の「死んでもチャンスを逃したくない」という狂気にも似た執着心を生みました。大怪我という苦難を乗り越え、34歳となった今、かつて憧れた先輩の年齢を超えた谷口選手は、次なるブラジル戦へと静かな闘志を燃やしています。
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