スーパーで万引き防止に効果!「お店の経営に影響」と訴えかけるメッセージが鍵
福島県警が昨年行った実験で、スーパーマーケットでの万引き防止に「ナッジ」と呼ばれる心理的な効果を活用したメッセージが有効であることが判明しました。特に、「万引きはお店の経営に大きな影響を及ぼします。場合によっては、商品の値上げや品ぞろえの縮小にもつながりますので、万引きはやめましょう」というメッセージが、幅広い商品で安定した効果を示したとのことです。
万引き防止に新たなアプローチ「ナッジ」とは?
「ナッジ」とは、行動経済学の用語で、人々に強制したり、禁止したりするのではなく、メッセージの伝え方を工夫することで、より良い選択を促す手法です。福島大学の鈴木あい特任准教授(犯罪科学)が、万引き防止に効果がありそうなメッセージを6種類作成し、県内のスーパー16店舗で実験を行いました。
実験結果:意外なメッセージが効果を発揮
実験では、各店舗で異なるメッセージを音声販売促進機器「呼び込み君」から流し、店内商品の「ロス率」(本来あるはずのものが無くなっている割合)の変化を調査しました。その結果、
- 最も効果的だったメッセージ:「万引きはお店の経営に大きな影響を及ぼします。場合によっては、商品の値上げや品ぞろえの縮小にもつながりますので、万引きはやめましょう」
- 逆効果の可能性:「万引きは犯罪です」「警備員が巡回しています」といった、万引きの存在を強調するメッセージ
- 効果が確認できなかった品目:カップ麺やポケットサイズのお菓子類
鈴木准教授は、効果的だったメッセージについて「道徳的規範、倫理観に響いた」と分析しています。
今後の展開:スーパーへのCD-R配布で全国へ
福島県警は、新年度から効果のあった2種類のメッセージを収録したCD-Rを各警察署を通じて地域のスーパーなどに配布し、万引き防止対策として活用してもらう予定です。今後は、異なる店舗や地域での検証、そして犯人像の理解を深めることで、より効果的な対策を目指していくとのことです。
万引きは、お店だけでなく、消費者にとっても負担となる可能性があります。今回の実験結果は、倫理観に訴えかけるという新たな視点から万引き防止に取り組む上で、大きなヒントとなるでしょう。