寮の排水溝は油で詰まる…中国人と日本の“ギャップ”を乗り越え、町工場が過去最高の売上を達成した理由
自民党の歴史的大勝利を受け、高市早苗首相率いる自維連立政権が盤石となったことで、日中関係の溝が深まることが懸念されています。しかし、中国人人材を重要な戦力として受け入れている日本企業の現場では、どのような影響が出ているのでしょうか?今回は、愛知県みよし市にある製あんメーカー「ナニワ」に密着し、異文化を認め、受け入れる努力によって過去最高の売上を達成したリアルな現場の姿をお届けします。
「ゴミの分別?ゴミ袋を買う必要があるの?」驚きの文化ギャップ
「指定の日にゴミを捨てる」「部屋を整理整頓する」「時間を守る」…日本人にとっては当たり前のことでも、中国人実習生にとってはそうではないことがあります。ナニワでは、10年以上も中国人実習生を受け入れ続けてきた経験から、そうした文化的な違いを理解し、丁寧に指導しています。
ある実習生は、ゴミの分別方法が分からず、「ゴミ袋を買わなければいけないの?」と質問したそうです。日本では当たり前のことですが、中国ではゴミ袋を自分で用意する必要がない場合もあるため、戸惑ってしまったのです。ナニワの社員は、根気強くゴミの分別方法を教え、生活のサポートも行っています。
家族を母国に残し、日本で働く中国人実習生
ナニワで働く王さん(仮名)は、日本の食品安全衛生を学びたいと来日し、2年半前にナニワで働き始めました。日本の四季が大好きで、休日には京都や奈良を訪れるのが趣味です。「これからも大好きな日本でずっと働き続けたい」という強い思いから、在留期間の上限が撤廃される「特定技能2号」の取得を目指して猛勉強中です。
もう一人の張さん(仮名)は、来日してまだ3カ月。なんと夫と子どもを母国に残して、単身赴任で日本に渡ってきました。家族を離れて日本で働く決意をした張さんは、「今は研修期間だけど、ナニワの皆さんは優しくて、丁寧に仕事を教えてくれます。将来的には日本で仕事を頑張って、中国から家族を呼び寄せたい」と語ります。
油で詰まった排水溝から始まった異文化理解
ある日、寮の排水溝が油で詰まってしまったことがありました。原因を調べてみると、中国人実習生が調理後の油をそのまま排水溝に流してしまったことが分かりました。日本では油を排水溝に流すことは禁止されていますが、中国では一般的な行為だったのです。
ナニワの社員は、頭ごなしに注意するのではなく、なぜ油を排水溝に流してはいけないのか、丁寧に説明しました。そして、油を捨てる正しい方法を教え、油処理用の容器を用意するなど、再発防止策を講じました。この出来事を通して、ナニワの社員と中国人実習生の間には、より深い信頼関係が築かれました。
異文化を認め、受け入れる努力がもたらした成果
現在、ナニワでは12人の外国人実習生と特定技能の社員が働いています。うち10人が中国人、2人がベトナム人です。異文化を認め、受け入れる努力を続けることで、ナニワは人材不足を解消し、生産性を向上させることができました。その結果、あん単体の生産では全国有数のニッチトップメーカーとしての地位を確立し、過去最高の売上高を達成しました。
ナニワの事例は、日中関係が冷え込む中、異文化を理解し、受け入れることの重要性を示唆しています。グローバル化が進む現代において、多様な人材を活用し、共に成長していくことが、日本企業の競争力を高める鍵となるでしょう。