三陸鉄道、29年ぶり運賃改定!日本初の第三セクター鉄道が直面する経営の現実
岩手県の三陸鉄道が、2025年10月30日に申請した旅客運賃の上限変更が国土交通省に認可されました。3月14日から、定期外運賃が10.4%、通勤定期が7.1%、通学定期が2.3%の値上げとなり、全体で7.4%の改定が行われます。初乗り(3km以下)は220円、最長区間(163km)は4160円に値上がりします。
なぜ今、運賃改定なのか?
今回の運賃改定は、消費税率引き上げを除けば1997年以来29年ぶりのことです。三陸鉄道は、燃料費や資材費の高騰、そして沿岸人口の減少による利用客の減少という厳しい経営環境に直面しています。これらの状況を受け、経営基盤を強化し、安全な輸送とサービスの向上を目指すために、今回の運賃改定に至りました。
深刻な経営状況:過去最大の赤字の可能性
三陸鉄道の第44期(2024年4月~2025年3月)の営業収益は4億5155万円に対し、営業費用は11億6233万円と、7億1078万円の営業赤字でした。経常利益も6億7945万円の赤字、当期純利益も3215万円の赤字と、厳しい状況が続いています。特に、経常利益の赤字は31期連続となっており、第45期(2025年4月~2026年3月)は過去最大の赤字額になる見通しです。
日本初の第三セクター鉄道、その歴史と意義
三陸鉄道は、国鉄時代に廃止対象となっていた特定地方交通線を引き継ぎ、1984年に南北リアス線を開業しました。これは、日本初の第三セクター鉄道として全国的に注目を集めました。その後、2019年にはJR山田線の釜石~宮古間が移管され、南北リアス線と連結し「リアス線」として生まれ変わりました。現在の営業キロ数は163.0kmで、第三セクター鉄道としては最長です。
100年の夢が実現した「リアス線」
三陸沿岸を結ぶ鉄道構想は明治期に遡り、「三陸縦貫鉄道構想」と呼ばれていました。南北リアス線の開業は、100年近く続いたこの構想の結実と言えるでしょう。しかし、その維持には多大なコストがかかり、現在も厳しい経営状況が続いています。地域経済の活性化のためにも、三陸鉄道の今後の運営が注目されます。