SNS時代に広がる「摂食症」…当事者のリアルと専門家が語る“いま”の現実と課題
国際女性デーを機に、若年層、特に中高生を中心にあらゆる世代の女性に増加傾向にある「摂食症」について、その現状と課題を深掘りします。厚生労働省の推計では、拒食症や過食症などの患者数は約22万人。しかし、専門家は、潜在的な患者を含めると100万人に達する可能性も指摘しています。
摂食症とは?深刻なリスクと「摂食症」という言葉の変化
摂食症の中でも多いのが「拒食症」です。極端な体重減少により月経不順や低血圧を引き起こし、栄養失調が進むと多臓器不全に至ることも。精神疾患の中でも死亡率が高く、約10%という高い割合を示しています。「誰でも起こり得る、決して特別な病気ではない」という認識が重要です。
これまで一般的に使われてきた「摂食障害」という言葉に対し、「障害」という表現が、回復しない状態や固定したハンディキャップといった印象を与えやすいという指摘がありました。また、その言葉の影響から、「治らない病気だと思われる」「自分がそのような病気だと認めたくない」といった理由で、受診をためらう当事者も存在します。近年、「摂食症」という名称を用いることで、回復の可能性を伝え、偏見(スティグマ)の軽減と早期受診につなげることを目指しています。
7年間と闘った女性の告白…「食べること」が恐怖になった瞬間
今回は、7年間にわたり摂食症を経験した田中さん(仮名・23歳)に、病気との向き合い方について話を聞きました。
田中さんが中学2年生の時に発症したのは、拒食症の一種でした。良性の脳腫瘍の手術後、食事中のあごの動きで手術痕に痛みを感じ、食事がとれない状態が続いたことがきっかけです。加えて、進学校での成績競争や家庭内のストレスも重なり、「食べること」そのものが恐怖に変わってしまったといいます。
体重は24キロまで減少し、中学3年の夏から半年間入院。その後も合計3度の入院を経験しました。症状は20歳頃まで続きましたが、回復期の過食を経て、現在は寛解に至っています。
もし、あなたが悩んでいるなら…相談できる窓口
摂食症は、早期発見と適切な治療が重要です。一人で悩まず、専門機関に相談しましょう。以下に相談窓口をいくつかご紹介します。
- いのちの電話:
https://www.inochinodenwa.org/ - よりそいホットライン:
https://www.since2011.net/yorisoi/ - 厚生労働省摂食症に関する情報:
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/kentou/syokushou.html
「あなたは一人ではありません」。周りの人に相談したり、専門家のサポートを受けたりすることで、必ず回復への道が開けます。