トランプ氏を刺激しない?高市政権、米軍支援の難航…対中関係悪化も懸念
トランプ前大統領の艦船派遣要求に、高市早苗首相の決断が注目されています。日本政府は米国によるイラン攻撃の法的評価を避けつつ、米軍支援の道筋を探っています。しかし、国際法無視と批判される攻撃を容認して派遣に応じれば、過去の政府答弁との整合性が取れず、日本の外交の根幹である「法の支配」と矛盾する可能性があります。
高市首相の苦悩:「国益をしっかり守る」も法的ハードルは高い
参院予算委員会で、野党議員からの攻撃の法的評価を問う質問に対し、高市首相は「イランに寄るのか?あり得ない。米国にできれば協力したい」と述べ、米軍支援への意欲を示しました。しかし、同時に「国際法上の法的評価を議論するつもりはない」とも語り、法的評価を避ける姿勢を明確にしています。
政府は自衛隊派遣の可能性を検討していますが、法的評価と過去の国会答弁が大きなハードルとなっています。安倍晋三前首相は、2015年の集団的自衛権に関する議論で、ホルムズ海峡が封鎖された際の機雷除去は「存立危機事態」になり得るとしながらも、「武力攻撃を受けていないにもかかわらず、違法な武力行使をすることは国際法上認められない」と明言していました。
国際法との整合性:先制攻撃の評価が焦点
国連憲章第51条は、武力攻撃を受けた場合に個別的・集団的自衛権を限定的に認めていますが、先制攻撃は国際法上認められていません。高市首相が米国を支援するためには、「先制攻撃をしていない」と明示する必要があります。外務省幹部も「首脳会談までに、法解釈などを変更せずに済む方法を見つけたい」と述べています。
過去の事例を参考に?慎重な対応を模索
政府内には、2019年の対応を参考にする意見もあります。当時、米国からの要請を断り、日本独自に防衛省設置法に定める調査・研究のための護衛艦を中東に派遣。閣議決定を経て、活動海域をオマーン湾など3公海に限りました。今回ホルムズ海峡に派遣するなら、少なくとも防衛相の命令や再度の閣議決定が必要になると考えられます。
東アジアの安全保障環境を踏まえれば、米国への支援を無視することはできません。しかし、国際法との整合性を保ちつつ、対中関係の悪化も避けるという高市政権にとって、日米外交の難局をどうくぐり抜けるかが問われています。