【甲子園】震災で散った夢を息子が叶える…佐野日大・鈴木有投手の父が抱く「聖地の砂」に込められた15年前の約束
東日本大震災で失いかけた「甲子園の砂」…父から子へ託された夢
夏の甲子園、佐野日大(栃木)のアルプススタンドで、一人の父親が大切そうに小さな瓶を握りしめていました。先発を務めた鈴木有(ゆう)投手の父・一平さんです。一平さんはかつて佐野日大の遊撃手として1997年の甲子園でベスト8に進出した立役者。当時の記憶として持ち帰った「聖地の砂」は、家族にとっても大切な宝物でした。しかし、2011年の東日本大震災の際、激しい揺れで瓶が棚から落下。暗闇の中、必死にかき集めても、砂はほんのわずかしか残りませんでした。当時2歳だった息子の有さんに、父はこう伝えたといいます。「甲子園に行って、お前たちが満タンに埋めてくれ」と。
15年の時を経て果たされた親子の絆。聖地で結んだ約束の結末
父の背中を追い、同じ佐野日大のユニフォームに袖を通した鈴木投手。父との「甲子園で砂を補充する」という約束を胸に、ついに憧れの聖地のマウンドに立ちました。その姿をスタンドで見守った一平さんは、「夢の舞台にもう一度連れてきてくれて感慨深い」と涙を浮かべました。たとえ震災で一度は散りかけた夢であっても、親から子へと受け継がれた想いは、15年の時を経て見事に結実したのです。父が大切に守り続けた砂の瓶は、今、息子の活躍によって再び新しい思い出と希望で満たされていくことでしょう。