【甲子園】被災した熊本の家族へ届けた想い。神村学園・小林嵩典選手、悔しさを糧に誓う「来年こそ日本一」
故郷・熊本を襲った震度7の衝撃。離れた地で戦った2年生の決意
夏の甲子園、第108回全国高校野球選手権大会。神村学園のベンチには、熊本県八代市出身で背番号12を背負う、2年生の小林嵩典(こばやしたかのり)選手の姿がありました。大会期間中の7月28日に故郷・熊本で発生した震度7の地震。鹿児島県の寮にいた小林選手は、停電や断水に見舞われた家族の無事を確認しつつも、母からの「甲子園を楽しんできて」という力強い励ましを胸に、大舞台へと挑みました。家族がよく買い物に訪れていた場所が被災したニュース映像を目の当たりにし、心痛めながらも、被災地の人々に勇気を届けるため、懸命に声を出し続けました。
消防士の父の背中を追って。目指すは「誰かを支える」未来
小林選手が野球の道に進んだのは、消防士として働く父の影響が大きいです。幼い頃から厳しい指導を受けつつも、野球の悩みに寄り添ってくれる優しい父。10年前の熊本地震の際、懸命に被災地で救助活動を行う父の姿を見て、小林選手は「人を助ける仕事って、かっこいい」と感銘を受け、将来の夢として消防士を志すようになりました。今回の震災でも、故郷のために動く父の背中が、小林選手の精神的な支えとなっています。
「悔しさを無駄にしない」。新チームで掴み取る日本一への道
試合は佐野日大との激闘の末、1―3で敗退。「僅差を勝ちきれなかった」と小林選手は試合後に涙を流しました。しかし、その瞳はしっかりと未来を見据えています。甲子園という特別な舞台で戦った経験、そして仲間と最後まで励まし合った絆は、何物にも代えがたい財産となりました。先輩から受け継いだ伝統を背負い、小林選手は「来年こそは日本一になる」と、新たなチームでの飛躍を誓っています。被災地を思う優しさと、強さを兼ね備えた彼の挑戦は、まだ始まったばかりです。