16歳の高校生が誓う「平和のバトン」 祖父と共に歩む、戦争を語り継ぐ決意
戦争を知らない世代へ、届いた「平和への想い」
8月15日の終戦記念日、日本武道館で行われた「全国戦没者追悼式」。厳かな雰囲気の中、一人の女子高校生が平和への誓いを込めて献花を行いました。新潟県長岡市から参列した、高校2年生の金井里紗さん(16)です。彼女が今回、この式典に参列することを決めた背景には、祖父である勲さん(86)との深い絆と、決して忘れてはならない「家族の物語」がありました。
遺骨なき曽祖父の記憶を、未来へつなぐ
金井さんの曽祖父にあたる徳七さんは、1945年にフィリピンのルソン島で戦死しました。当時わずか4歳だった祖父の勲さんに残されたのは、父の遺骨ではなく、名前が書かれた一枚の木札だけでした。そんな悲しい歴史を、金井さんは幼い頃から祖父の言葉を通じて聞いて育ちました。地元・長岡市の空襲資料館で焼け野原の模型を見た時の衝撃は、今も心に強く刻まれているといいます。「戦争についてもっと知りたい」という純粋な探究心と、戦争の記憶を風化させてはならないという強い責任感が、今回の参列へとつながりました。
「二度と繰り返さない」世代を超えた約束
昨年、祖父の勲さんは亡き父の足跡を辿るため、初めてフィリピンの地を訪れました。現地で涙ながらに追悼文を読んだ経験を持つ勲さんは、今、語り部として次世代の育成に力を注いでいます。孫である里紗さんに「いつかは父の話を語り継げるようになってほしい」と願う祖父の想いは、しっかりと里紗さんに届いています。「戦争の記憶をつないでいかねば」。16歳の彼女が抱いたその決意は、平和な未来を築くための、何よりも大切な「バトン」となるはずです。
※全国戦没者追悼式の詳細については、