IBM株が13%急落!AIツール発表でレガシーシステムへの懸念が高まる
アメリカのテクノロジー大手IBMの株価が、2月23日に13%も急落し、2000年以来最悪の1日となりました。この背景には、AmazonやGoogleが出資するAI企業アンソロピック(Anthropic)が発表した、古いプログラミング言語COBOLを効率的に最新化するAIツールの存在があります。
COBOLとは?なぜIBMの株価に影響するのか?
COBOLは1960年代に開発されたプログラミング言語で、現在でもアメリカのATM取引の約95%や、社会保障給付の支払い、金融機関や航空会社のシステムなど、社会インフラを支える重要な役割を担っています。IBMはCOBOLの普及に貢献し、現在もCOBOLで動くシステムを提供しています。
しかし、COBOLを教える大学は少なく、COBOLを理解できるエンジニアの数は年々減少しています。アンソロピックは、COBOLコードの量に対して、それを扱える人材が不足している現状を指摘し、AIを活用することでレガシーコードを迅速に最新化できると主張しています。
アンソロピックのAIツールが引き起こした株価下落
アンソロピックが発表したAIツールは、COBOLコードを自動的に分析し、最新のシステムに移行する作業を支援します。この発表を受け、投資家はIBMのCOBOL関連事業の将来性に懸念を抱き、株を売却する動きが広がりました。その結果、IBMの時価総額から約310億ドル(約4兆7900億円)が失われました。
AIの進化とソフトウェア業界への影響
アンソロピックは今月に入り、AIツールを相次いで発表しており、顧客対応、プロダクトマネジメント、マーケティング、法務、データ分析などの業務を自動化するAIエージェントや、ソフトウェアコードの脆弱性を検出するツールなども発表しています。これらの発表は、AIが従来のビジネスプロセスを脅かす可能性を示唆しており、ソフトウェア業界全体に影響を与えています。
実際に、アンソロピックの発表を受けて、サイバーセキュリティ関連企業の株価も下落しています。CrowdStrikeやZscalerは2月23日にそれぞれ約9%下落しました。
専門家からの見解
今回の株価下落について、複数のエコノミストは、投資家がAIの動向に過剰反応している可能性があると指摘しています。LPLファイナンシャルのアナリスト、アダム・ターンクイスト氏は、ソフトウェアおよびAI関連業界のボラティリティは、売上や利益の減少ではなく、投資家の「市場のナラティブ」の変化を反映していると分析しています。
また、JPモルガンは、AI企業がソフトウェア業界を破壊的に変えるという見方は「論理の破綻」であり、投資家の懸念は過大だと指摘しています。ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は、AIの進展はむしろ企業を後押しすると主張しています。
今回のIBM株の急落は、AI技術の進化が、既存のビジネスモデルや業界構造に大きな影響を与える可能性を示唆しています。今後のAI技術の発展と、それに対する市場の反応に注目が集まります。
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