地方のジェンダー格差はなぜ縮まらない?「地方女子」の生きづらさに迫る
3月8日の「国際女性デー」は、国連がジェンダー平等を目指して定めた記念日です。日本でも認知度は高まっていますが、地方では依然としてジェンダー格差が大きいという課題が残っています。今回は、北海道・中富良野町で男女共同参画の推進に取り組む稲葉哲治さんの視点から、地方のジェンダー格差の実態と、その解決に向けた課題について掘り下げていきます。
地方と都市の違い:暮らしの前提が異なる
稲葉さんは、総務省の「地域活性化起業人」制度のもと、中富良野町と東京・新宿で二拠点生活を送っています。都市部での経験を踏まえて地方での活動を始めた当初、「地方のジェンダー格差解消」に対する認識が大きくずれていたと語ります。
「地方と、地方都市や都市は違う。暮らしの前提が異なるのです。私が『地方のジェンダー格差解消』として認識していたものは、地元企業を有する地方都市の事例であり、過疎や消滅可能性に直面している『地方』のものではなかったのです。」
中富良野町をはじめとする多くの地方では、満員電車やオフィスビルは一般的ではありません。会社員という生き方を選ばない人も多く、農業や観光業などの一次産業に家族で従事し、職住一体の暮らしを送っています。消費よりも生産が生活の中心であり、自然の中で生きているという、都市部とは異なるライフスタイルが根付いています。
「キャリアアップ」も「賃金格差」も…地方での声
町民からは、「満員電車とはどのようなものですか」「キャリアアップの意味が分からない」「賃金格差といわれても、農家だから」といった声が寄せられています。これは、都市部で一般的に議論されるジェンダー格差の問題が、地方の生活様式や価値観と必ずしも合致しないことを示唆しています。
地方では、サードプレイスと呼べる場所も少なく、コミュニティの形成も課題となっています。ジェンダー格差の解消には、地方特有の状況を理解し、地域に根ざした解決策を模索していく必要があるでしょう。
地方のジェンダー格差問題は、単に都市部の価値観を押し付けるのではなく、地方の暮らしや文化を尊重しながら、男女が共に生きやすい社会を築いていくことが重要です。今後の取り組みに注目が集まります。