いじめ被害を綴った卒業文集に校長が書き直し要求…「楽しかったことの一つぐらいは」生徒の苦悩を代弁した作文に波紋
福島県郡山市の中学校で、いじめ被害に苦しむ中学3年生の女子生徒が、自身の体験を綴った卒業文集の作文に対し、校長から書き直しを求められるという事態が発生しました。学校側の「教育的配慮」という説明に対し、生徒側は「いじめをなかったことにしたかったのではないか」と憤りを露わにしています。
いじめの現実を告白した作文
関係者によると、女子生徒は2025年12月、担任から卒業文集の作文執筆を依頼されました。作文には、2年生に進級した際に始まったいじめについて、自身の心情を率直に綴りました。「皆さんのせいで、私の時間と心は確実に傷つきました」という言葉は、いじめによって深く傷ついた生徒の苦しみを代弁しています。
「楽しかったことの一つぐらいは」校長の要求に生徒は涙
しかし、作文を提出後、生徒は学校に呼び出され、校長から「一つぐらいは楽しかったことがあるはずだ」と作文の書き直しを求められました。生徒は「うそは書いていない。これが、私の頑張ってきたことです」と涙ながらに拒否しましたが、校長は執拗に書き直しを要求したといいます。保護者が学校に抗議した結果、作文はほぼそのまま掲載されることになりました。
学校側の説明と生徒の憤り
中学校側は、毎日新聞の取材に対し、作文を書き直させようとした理由について「大人になって読み返してから後悔しないよう」という教育的配慮だったと説明しています。しかし、生徒は母親に「校長先生はいじめをなかったことにしたいのかと感じた」と話しており、学校側の対応に強い不信感を抱いている様子です。
重大事態とみなされず、いじめ調査も未実施
生徒は2025年10月から不登校となっていますが、学校側はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」とみなさず、いじめに関する調査も行っていません。この対応も、生徒や保護者からは疑問の声が上がっています。
この問題は、いじめ被害に苦しむ生徒の声を真摯に受け止め、適切な対応を取ることの重要性を改めて浮き彫りにしました。学校側の説明だけでは納得できない点が多く、今後の対応に注目が集まります。