高市首相、NPT再検討会議への参加見送り 核軍縮への姿勢に懸念の声
核拡散防止条約(NPT)再検討会議が27日からニューヨークで始まる中、高市早苗首相が参加を見送る方針であることが明らかになりました。政府は国光文乃外務副大臣を派遣する方向で調整を進めていますが、国際社会からは「格下げ」と受け止められる可能性があり、日本の核軍縮に対する姿勢が問われています。
NPT再検討会議とは?
NPT(核拡散防止条約)は、世界191カ国・地域が加盟する、核兵器の拡散を防ぐための重要な国際条約です。核保有国には核軍縮の義務を課す一方、非核保有国には核兵器の製造や取得を禁じています。原則5年ごとに開催される再検討会議は、加盟国の主張や取り組みをぶつけ合い、核軍縮方針に関する最終文書の集約を目指す、閣僚級会議としては最重要の会議と言えるでしょう。
岸田前首相の積極的な姿勢との対比
2022年の前回会議では、岸田文雄首相が初めて首相として出席し、唯一の被爆国として核軍縮の重要性を訴えました。また、核軍縮の行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」を提唱するなど、積極的な姿勢を示していました。しかし、今回の高市首相の参加見送りは、その姿勢との落差が指摘されています。
政府の理由と懸念
政府は、大型連休前後の外遊先としてオーストラリアなどを検討しており、安全保障や経済面での連携強化を優先した結果、NPTへの参加が難しいとしています。しかし、「日本が果たせる役割は多くない」との認識も表明しており、核軍縮への積極的な姿勢が弱まっているとの批判も出ています。
超党派の国会議員連盟や日本原水爆被害者団体協議会(被団協)などは、日本の役割を求めています。被団協の田中熙巳代表委員は「私たちの気持ちを代表して首相に発言してほしかった。もし副大臣が派遣されるなら、残念だ」と述べています。
国際情勢の緊迫化
2月に米ロ間の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」が失効し、核を取り巻く世界情勢はさらに緊迫化しています。ロシアのウクライナ侵攻や、フランスによる核弾頭増強など、核兵器を巡る動きが活発化しており、NPT体制維持の重要な岐路を迎えています。今回の再検討会議では、イランの核開発問題も議題に上り、厳しい議論が予想されます。
今回の高市首相の参加見送りは、国際社会に日本の核軍縮に対する姿勢をどのように受け止められるかが注目されます。唯一の被爆国としての責任を果たすためにも、日本は国際社会との対話を通じて、核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取り組むことが求められます。