親が知らない「断る力」と「ノーを受け入れる力」?2歳児から学ぶ「同意」が、ジェンダー不均衡解消の鍵になる?
「一緒に遊ぼう」と親に誘われた時、どうしても断れない…そんな経験、ありませんか?実は、この“ノーと言えない”状況が、ジェンダー不均衡や性加害といった社会問題と深く関わっている可能性があるのです。ハーバード大学准教授で医師の内田舞氏の新刊『ジェンダー・ジャスティス社会の無意識が生み出す性と権力の構造』は、その背景にある無意識の偏見と社会の構造に迫っています。
「同意」教育はなぜ重要なのか?
性加害において最も重要なテーマの一つである「同意」。内田氏によると、同意について正しく理解し、「イエス」「ノー」をはっきり言えるようにする、また相手の意思を尊重して受け止められるようにするには、子どもの頃からの教育が不可欠だと指摘します。
ヨーロッパやアメリカでは、性教育が義務化されており、低年齢から人間関係における「同意」のコンセプトを学ぶ機会が設けられています。日本でも2023年度から「生命の安全教育」がスタートし、幼児期から自分と相手の体を大切にする、小学校高学年では自分と相手を守るルールを学ぶ内容が導入されています。
2歳児から始める「同意」教育とは?
内田氏の息子さんが通うアメリカ・ボストンのプレスクールでは、なんと2歳児のクラスから「同意」について教えられているそうです。しかし、この年齢で学ぶ「同意」は、性的な同意や医療的な同意とは異なります。
ここでは、人間関係の中で自分の意思を表明すること、そして相手の意思を尊重することを学ぶのです。つまり、「YES」も「NO」も等しくリスペクトする姿勢を育むことが目的です。
「断る力」と「ノーを受け入れる力」を育むことの重要性
幼い頃から「同意」を学ぶことは、単に性加害を防ぐためだけではありません。自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを尊重する姿勢は、健全な人間関係を築く上で不可欠です。また、自分の意見をはっきり言える「断る力」と、相手の意見を尊重して受け入れる「ノーを受け入れる力」は、ジェンダー不均衡を解消するためにも重要な要素となります。
特に日本では、家庭内労働の偏りや賃金格差など、男女間の不平等が依然として存在します。これは、無意識の偏見や社会構造が深く関わっていると考えられます。子どもたちが幼い頃から「同意」を学び、互いの意思を尊重する姿勢を育むことで、より公正で平等な社会の実現に繋がるのではないでしょうか。
内田舞氏の新刊『ジェンダー・ジャスティス社会の無意識が生み出す性と権力の構造』は、ジェンダー問題について深く理解し、より良い社会を築くためのヒントを与えてくれる一冊です。