小学館「マンガワン」で起きた性加害問題、新連載原作者起用から打ち切り、そして再起用…批判の声止まらず
小学館の漫画アプリ「マンガワン」で、性加害を行った漫画家の新連載原作者起用問題が深刻化しています。一度打ち切りになった漫画家を、わずか2か月後に別のペンネームで起用した小学館の対応に、漫画家や読者から批判が相次いでいます。
問題の経緯
事の発端は、連載中の漫画「常人仮面」の原作者が、過去に児童ポルノ禁止法違反で略式命令を受けていたという事実です。小学館は、この事実が判明した2022年に、原作者が描いていた別の漫画「堕天作戦」の連載を打ち切りました。しかし、そのわずか2か月後、同じ人物を別のペンネームで「常人仮面」の原作者として起用したのです。
小学館「マンガワン」編集部は謝罪し、「本来であれば原作者として起用すべきではありませんでした。何よりも被害に遭われた方に対し、心よりお詫び申し上げます」とコメントしています。
被害女性の訴えと編集部の対応
この問題で被害を受けた元生徒の女性は、PTSDを患ったとして、漫画家に対して1100万円の賠償を求める民事訴訟を起こし、勝訴しています。しかし、女性は判決後、編集者から「堕天作戦」の作者であることを口外しないよう、和解を持ちかけられたと証言しています。編集者は和解協議のLINEグループで、示談金や性加害を口外しないことなどの条件を提案していたことも明らかになっています。
被害女性は「加害者ばかり人生が上手くいくのは辛いです。悔しいです」と心情を吐露しています。
漫画家や専門家からの批判
この問題を受け、多くの漫画家が「マンガワン」での作品配信停止を発表するなど、波紋が広がっています。
漫画家Aは「未成年へのおぞましい行為。それがとんでもない悪行であることは自明なのに、編集者の対応がなんでそういうことになるの」と憤り、漫画家Bも「絶対に許せない事件で、僕は勿論、読者さんもマンガワンでは楽しく漫画を読む事は出来ないと思いました」と語っています。
企業のリスク管理に詳しい桜美林大学西山守准教授は、小学館の一連の対応を「非常に短い間で問題が解決していない状況のままに起用してしまっている。読者にも世の中にも説明していないという点で非常に疑惑を生む」と強く批判しています。
小学館の対応と今後の展望
小学館は2日、第三者委員会の設置を発表し、問題点の検証と再発防止に取り組む方針を示しました。しかし、同じく「マンガワン」で連載中の漫画「星霜の心理士」の原作者についても、過去に性加害事件に関わった人物が別の名義で起用されていたことが判明しており、小学館のリスク管理体制に疑問の声が上がっています。
小学館は、この原作者についても、執行猶予期間が満了したことや、事件に対する反省の姿勢などを踏まえて起用を決めたとしています。
今回の問題は、漫画業界における性加害問題の根深さと、出版社側の責任の重さを改めて浮き彫りにしました。小学館が今後、どのように問題解決に取り組んでいくのか、注目が集まっています。