衰え知らずの闘争心伝説の棋士加藤一二三さん、86歳で逝去
「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋棋士九段の加藤一二三さんが、2022年5月17日に86歳の生涯を閉じられました。現役時代は勝利への執念で多くのファンを魅了し、引退後もテレビ番組などでそのおどけたキャラクターで人気を集めました。
史上最年少デビューから名人への道
加藤さんは、史上初の中学生棋士としてデビュー。史上最年少の20歳3カ月で名人に挑戦するなど、その才能は幼少の頃から際立っていました。しかし、全盛期の大山康晴十五世名人の壁は厚く、初タイトル獲得は29歳、初名人号は42歳と、道のりは決して平坦ではありませんでした。
激闘!1982年名人戦の死闘
特に印象的なのは、1982年の第40期名人戦。中原誠十六世名人との10局に及ぶ死闘は、「持将棋」や「千日手」が3回も発生する激しいものでした。真夏の7月末の最終局で、加藤さんは熟考の末に勝ち筋を見出し、悲願の名人を手にしました。中原誠十六世名人は、加藤さんの衰えぬ闘志と腰を落としてじっくり考える姿に感銘を受けたと言います。
伝説に残る集中力とこだわり
加藤さんは、勝負に集中するため、庭園の滝の水を止めさせたり、チョコレートやミカンを大量に食べたりと、数々の伝説を残しました。また、相手の気持ちになって考えようと盤の反対側に回り込む手法は「ひふみんアイ」と呼ばれ、多くの棋士に影響を与えました。そして、銀を真っすぐ繰り出す「棒銀戦法」を生涯こだわり続けました。
藤井聡太名人との対戦と不屈の闘志
自身の最年少デビュー記録を更新した藤井聡太名人(23)との対戦でも、加藤さんは闘志をむき出しにしました。敗れた後も「次に対戦する時は負けない」と繰り返し、その不屈の精神は周囲を驚かせました。羽生善治九段も、加藤さんの60年以上にわたる闘争心に舌を巻くほどでした。
テレビでの活躍とサービス精神
輝かしい成績を残した棋士としては珍しく、加藤さんはバラエティー番組にも積極的に出演しました。クイズ番組で堂々と誤答を書き、視聴者を楽しませる喜びを知ったことがきっかけです。そのサービス精神で、引退後も多くの依頼をこなし、「現役の時以上に忙しい」と笑顔で語っていました。
加藤一二三さんの自由奔放な魅力と、全力で走り続けた生涯は、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。
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